受遺者による担保の請求

991条は受遺者は遺贈が弁済期に至らない間は遺贈義務者に対して相当の担保を請求することができると定めています。停止条件付きの遺贈についてその条件の成否が未定の間も同様です。

受遺者による果実の請求

992条は受遺者は遺贈の履行を請求することができる時から果実を取得すると定めています。ただし遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときはその意思に従います。

遺贈義務者による費用の償還請求

993条1項は留置権者による費用の償還請求に関する規定を遺贈義務者が遺言者の死亡後に遺贈の目的物について費用を支出した場合について準用しています。同条2項は果実を収取するために支出した通常の必要費は果実の価格を超えない限度でその償還を請求することができると定めています。

受遺者の死亡による遺贈の失効

994条1項は遺贈は遺言者の死亡以前に受遺者が死亡したときはその効力を生じないと定めています。同条2項は停止条件付きの遺贈については受遺者がその条件の成就前に死亡したときも同様とし遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときはその意思に従うと定めています。

これは同時存在の原則に基づくものです。遺贈は特定の人に対してなされるから受遺者となるべき者の相続人が代襲承継することはなく遺贈が効力を発生する前に受遺者が死亡した場合は遺贈は無効になります。同時死亡の場合も含まれます。もっとも遺贈の効力発生時に胎児である者はすでに生まれたものとみなされて受遺者となることができ同時存在の原則の例外とされています。

遺贈の無効又は失効の場合の財産の帰属

995条は遺贈がその効力を生じないとき又は放棄によってその効力を失ったときは受遺者が受けるべきであったものは相続人に帰属すると定めています。ただし遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときはその意思に従います。

相続財産に属しない権利の遺贈

996条は遺贈はその目的である権利が遺言者の死亡の時において相続財産に属しなかったときはその効力を生じないと定めています。ただしその権利が相続財産に属するかどうかにかかわらずこれを遺贈の目的としたものと認められるときはこの限りではありません。

997条1項は相続財産に属しない権利を目的とする遺贈が有効であるときは遺贈義務者はその権利を取得して受遺者に移転する義務を負うと定めています。同条2項はその権利を取得することができないとき又はこれを取得するについて過分の費用を要するときは遺贈義務者はその価額を弁償しなければならないと定めています。ただし遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときはその意思に従います。

遺贈義務者の引渡義務

998条は遺贈義務者は遺贈の目的である物又は権利を相続開始の時の状態で引き渡し又は移転する義務を負うと定めています。遺贈が贈与と同じく無償であることを踏まえ贈与者の引渡義務等に関する規定と同様の規定です。ただし遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときはその意思に従います。

遺贈の物上代位

999条1項は遺言者が遺贈の目的物の滅失若しくは変造又はその占有の喪失によって第三者に対して償金を請求する権利を有するときはその権利を遺贈の目的としたものと推定すると定めています。同条2項は遺贈の目的物が他の物と付合し又は混和した場合において遺言者が合成物又は混和物の単独所有者又は共有者となったときはその全部の所有権又は共有権を遺贈の目的としたものと推定すると定めています。

債権の遺贈の物上代位

1001条1項は債権を遺贈の目的とした場合において遺言者が弁済を受けかつその受け取った物がなお相続財産中にあるときはその物を遺贈の目的としたものと推定すると定めています。同条2項は金銭を目的とする債権を遺贈の目的とした場合においては相続財産中にその債権額に相当する金銭がないときであってもその金額を遺贈の目的としたものと推定すると定めています。

負担付遺贈

1002条1項は負担付遺贈を受けた者は遺贈の目的の価額を超えない限度においてのみ負担した義務を履行する責任を負うと定めています。遺贈は受遺者に恩恵を与えようとする遺言者の意図に基づくものであり負担が遺贈の利益より大きいときは遺贈とはいえないためです。

同条2項は受遺者が遺贈の放棄をしたときは負担の利益を受けるべき者は自ら受遺者となることができると定めています。ただし遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときはその意思に従います。遺贈の放棄があった場合に受益者の地位が確定しないことを防止し受益者の権利を保護するための規定です。

負担付遺贈とは受遺者に一定の法律上の義務を課した遺贈をいいます。受遺者が負担を履行しない場合は相続人は遺言の取消しを家庭裁判所に請求できます。

負担付遺贈の受遺者の免責

1003条は負担付遺贈の目的の価額が相続の限定承認又は遺留分回復の訴えによって減少したときは受遺者はその減少の割合に応じてその負担した義務を免れると定めています。ただし遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときはその意思に従います。

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