連帯保証の意義と成立
連帯保証とは保証人が主たる債務者と連帯して保証債務を負担する場合をいいます。連帯保証は保証契約において債権者と保証人が連帯の特約をすることにより成立します。保証人と債務者との間の連帯の特約は不要です。主たる債務が商行為により生じたとき又は保証が商行為であるときは常に連帯保証となります。
連帯保証の性質
連帯保証には補充性がなく催告の抗弁権及び検索の抗弁権は認められません。付従性はあります。また分別の利益がないため債権者は各連帯保証人に全額請求することができます。
連帯保証人について生じた事由の効力
主たる債務者について生じた事由は普通の保証と同様全て連帯保証人に及びます。これは保証債務の付従性によるものであり連帯債務規定の適用はありません。
連帯保証人について生じた事由については連帯債務の規定が準用されます。更改、相殺及び相対的効力の原則は保証債務の性質として当然に認められます。連帯保証人には負担部分がないため負担部分の存在を前提とする他の連帯債務者の履行拒絶に関する規定は準用の余地がありません。
連帯保証債務の請求に関しては保証債務の履行請求に対し検索や催告の抗弁がなされこれに対し連帯の合意による再抗弁がなされるという構造になります。
内部関係は普通の保証と同様です。
主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務
458条の2は保証人が主たる債務者の委託を受けて保証をした場合において保証人の請求があったときは債権者は保証人に対し遅滞なく主たる債務の元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものについての不履行の有無並びにこれらの残額及びそのうち弁済期が到来しているものの額に関する情報を提供しなければならないと定めています。
本条の趣旨は主たる債務者が債務不履行に陥ったものの保証人が長期間にわたってそのことを知らず遅延損害金が積み重なって甚大な額になってしまった場合に保証人が債権者からその履行を求められるのは酷であることからこのような結果を回避するために債権者に情報提供義務を課しもって保証人を保護する点にあります。
情報提供義務の対象たる残額等には主たる債務それ自体だけではなくそれに付随するものであって保証債務の対象となるものも含まれます。債権者は個人保証であると法人保証であるとを問わず本条により情報提供義務を負います。債権者がこの情報提供義務に違反した場合には債務不履行の一般法理に従って処理されます。
主たる債務者が期限の利益を喪失した場合における情報の提供義務
458条の3第1項は主たる債務者が期限の利益を有する場合においてその利益を喪失したときは債権者は保証人に対しその利益の喪失を知った時から2か月以内にその旨を通知しなければならないと定めています。
同条2項はこの期間内に通知をしなかったときは債権者は保証人に対し主たる債務者が期限の利益を喪失した時から通知を現にするまでに生じた遅延損害金のうち期限の利益を喪失しなかったとしても生ずべきものを除いた部分に係る保証債務の履行を請求することができないと定めています。
同条3項は保証人が法人である場合には本条の適用がないと定めています。
債権者が通知を怠ったからといって主たる債務についての期限の利益喪失の効果を保証人に主張できなくなるわけではありません。主たる債務者が期限の利益を失えば通知の有無にかかわらず保証人も期限の利益を喪失し保証人は残債務の全額に相当する保証債務についてその履行に応じなければなりません。通知懈怠の効果はあくまで遅延損害金に係る保証債務の履行請求が制限されるにとどまります。
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