政治責任の追及

憲法が禁止するのは国会議員に対する法的責任の追及であり、所属政党、支持団体、選挙人等が議院において議員が行った発言や表決について政治的あるいは道義的責任を追及することは自由です。所属政党や所属団体等がその院内活動を理由に議員に一定の制裁を加え除名を行うことも許されます。

会期制度の意義

会期制とは議会が一定の限られた期間だけ活動能力をもつという制度をいいます。なお議会の議員の任期の期間引き続いて議会が活動能力をもつとする制度を常設制といいます。

憲法は会期制について明言していませんが、常会の他に臨時会及び特別会の規定を置いていることから会期制を予定しているものと解されます。国会法も会期制を前提につくられています。したがって法律で会期制を廃し常設制にすることは憲法の趣旨に反します。

会期不継続の原則

会期不継続の原則とは国会は会期ごとに活動能力を有し、すなわち会期独立の原則であり、会期中議決に至らなかった案件は後会に継続しないとする原則をいいます。

憲法は会期不継続の原則について明記しておらずそれを採用するか否かは国会の自主的判断に委ねていると解されています。国会法はこの原則を採用しています。

甲議院が議決し乙議院が継続審査を決定し次会期において乙議院が甲議院の議決通りに議決した場合には甲議院の再度の議決が必要であるとするのが先例です。これを議決の効力の不継続といいます。したがって59条2項における衆議院の再議決も同一会期中でなければならないということになります。

会期不継続の原則の例外として、議院の議決により常任委員会又は特別委員会に特に付託された案件は懲罰事犯の件を含め閉会中も引き続き審査された場合にはその議案は後会に継続します。

一事不再議の原則

一事不再議の原則とはひとたび議院が議決した案件については同一会期中には再びこれを審議しないという原則をいいます。

この原則を明記していた明治憲法と異なり日本国憲法はこれに関する明文規定を欠き国会法や議院規則にも規定は置かれていません。しかし会期制を採用する現行の国会制度にもこの原則は当然に妥当すると解されています。一事不再議の原則はいったんなされた議決が不安定な状態に置かれることを回避し会議の効率的運営を図るために会期制と結び付いて行われる原則であるためです。

一事不再議の原則の例外として、憲法自身がその例外として規定する衆議院の再議決の場合及び会期が長期に及び事情変更などにより議院の意思を変更する客観的な必要性が生じた場合には同一会期中の再提案も可能と解されています。

会期の種類

国会の活動形態として憲法及び国会法は常会、臨時会、特別会の3種類を定めています。

常会は毎年1回召集される国会であり1月中に召集されるのを常例とします。会期は150日ですが会期中に議員の任期が満限に達する場合にはその満限の日をもって会期は終了します。会期延長は1回に限り両議院一致の議決で延長できます。議決につき衆議院の優越が認められます。

臨時会は必要に応じて臨時に召集される国会です。召集原因として、内閣が必要とするとき、いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があるとき、衆議院議員の任期満了による総選挙又は参議院議員の通常選挙が行われたときがあります。会期は召集日に両議院の一致で決定し議決につき衆議院の優越が認められます。会期延長は両議院一致の議決で2回延長できます。

特別会は衆議院の解散による総選挙後に召集される国会であり、総選挙の日から30日以内に召集されます。召集の時期が常会の召集時期と重なる場合は常会と併せて召集できます。会期と会期延長は臨時会と同じです。

内閣の臨時会召集義務と国家賠償

判例は、53条は国会と内閣との間における権限の分配という観点から内閣が臨時会召集決定をすることとしつつこれがされない場合においても国会の会期を開始して国会による国政の根幹に関わる広範な権能の行使を可能とするため各議院を組織する一定数以上の議員に対して臨時会召集要求をする権限を付与するとともにこの臨時会召集要求がされた場合には内閣が臨時会召集決定をする義務を負うこととしたものと解されるのであって個々の国会議員の臨時会召集要求に係る権利又は利益を保障したものとは解されないとしました。

また内閣は臨時会召集要求をした国会議員が予定している議員活動の内容にかかわらず臨時会召集決定をする義務を負い臨時会召集要求をした国会議員であるか否かによって召集後の臨時会において行使できる国会議員の権能に差異はないとしました。そのため53条後段が個々の国会議員に対し召集後の臨時会において議員活動をすることができるようにするために臨時会召集要求に係る権利又は利益を保障したものとは解されないとしました。

したがって53条後段の規定による臨時会召集要求をした国会議員は内閣による臨時会召集決定の遅滞を理由として国家賠償法の規定に基づく損害賠償請求をすることはできないとしました。

国会の開閉

召集は詔書の形式で行われ集会期日を定めて公布されます。常会の召集詔書は少なくとも10日前に公布しなければなりませんが臨時会及び特別会にこうした制限はありません。

休会とは国会又は各議院が会期中一定の期間を定めて一時その活動を休止することをいいます。国会の休会は両議院一致の議決を必要とし会期の決定と異なり衆議院の優越は認められません。

国会は会期の終了によって閉会となります。閉会は会期の満了のほか会期中に衆議院が解散されたとき又は常会の会期中に議員の任期が満限に達したときにも生じます。

参議院の緊急集会

参議院の緊急集会は同時活動の原則の例外であり過去に2度実際に召集されたことがあります。

緊急集会の要件は、解散により衆議院が存在しないこと、国に緊急の必要があること及び内閣の求めがあることです。議員の任期満了の場合は予定されていません。緊急の必要とは総選挙後特別会の召集を待つ余裕がないほどに切迫した国家的必要があることをいいます。緊急集会を求めることができるのは内閣だけであり参議院議員にその権能はありません。緊急集会は国会の召集とは異なるので天皇の詔書の形式により参集するものではありません。

緊急集会は内閣総理大臣から示された案件について審議し議決します。議員は当該案件に関連のあるものに限り議案を発議できます。集会は国会の権能を代行するものであり法律、予算等国会の権能に属する事項のすべてを審議し議決することができます。ただし憲法改正の発議や新たな内閣総理大臣の指名は緊急の必要性を欠くことから議決事項になじまないとされています。

緊急集会は緊急案件がすべて議決され議長が緊急集会が終わったことを宣告することにより終了します。緊急集会は緊急に国会の議決を要すると判断した内閣の求めによって開かれるものであって会期の定めがあるわけではありません。

緊急集会で採られた措置は臨時のものであって次の国会開会後10日以内に衆議院の同意がない場合は将来に向かって効力を失います。衆議院の同意を求める手続は緊急集会を求めた内閣が行います。

なお緊急集会の期間中参議院議員は会期中の国会議員と同様に不逮捕特権と免責特権を保持します。

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