被害者の承諾の意義

被害者の承諾とは法益主体である被害者が法益侵害に対して承諾を与えることをいいます。被害者の承諾は個人的法益に対する罪において問題となります。

被害者の承諾が違法性を阻却する根拠

結果無価値論は被害者の承諾が違法性を阻却する根拠を被害者の法益処分によって保護すべき法益が存在しなくなることに求めます。これを法益欠如原理といいます。

行為無価値論は諸般の事情を総合考慮して承諾を得た法益侵害行為が社会的相当性を有することに求めます。これを社会的相当性原理といいます。この立場の特徴は違法性阻却事由の具体的基準を定立するに当たり行為者の主観や行為の社会的評価を考慮する点にあります。

判例は単に承諾が存在するという事実だけでなく右承諾を得た動機、目的、身体傷害の手段、方法、損傷の部位及び程度など諸般の事情を照らし合わせて決すべきであるとしており社会的相当性原理を根拠とする立場に親和的であるとされています。

被害者の承諾の要件

被害者の承諾により違法性が阻却されるための要件としては処分可能な個人的法益であること、承諾能力ある者の有効な承諾であること、行為時までに承諾が外部に表示され行為者が承諾の存在を認識していること及び行為が社会的相当性を有することが必要であると解されています。

被害者の承諾に基づく行為の諸類型

国家的法益及び社会的法益に対する犯罪については承諾は何ら影響しません。承諾は法益の主体が与えるところ国家的法益及び社会的法益の主体は実際上承諾を与え得ないためです。もっとも放火罪のように個人の財産を第二次的法益とする犯罪については適用法条の変化が生じます。

個人的法益に対する犯罪については承諾の効果は犯罪類型により異なります。一般的に有効な承諾が期待できない犯罪については承諾は何ら影響しません。行為態様として被害者の意に反する態様を予定している財産罪、住居に対する罪及び逮捕監禁罪等については承諾により構成要件該当性が阻却されます。殺人罪及び堕胎罪については承諾により適用法条が変化し軽減類型が適用されます。傷害罪については承諾が違法性阻却事由となるかにつき争いがあります。

被害者の推定的承諾

被害者の推定的承諾とは現に被害者自身による承諾はないがもし被害者が事情を知ったならば当然承諾するであろうと考えられる場合にその意思を推定して行われる行為をいいます。

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