構成要件の意義
構成要件とは刑罰法規に定められた犯罪の類型をいいます。
客観的構成要件要素
行為の主体について身分犯とは構成要件上行為者に一定の身分があることが必要とされている犯罪をいいます。真正身分犯とは身分があることによって犯罪を構成する場合をいい収賄罪や背任罪がその例です。不真正身分犯とは身分があることによって法定刑が加重又は減軽される場合をいい保護責任者遺棄罪や常習賭博罪がその例です。
行為の客体とは行為が向けられる対象としての人又は物をいいます。刑法各則に規定された行為の客体には法人を含むものがあります。行為の客体と当該刑罰法規における保護の客体である法益とは必ずしも一致しません。
行為の状況とは構成要件に定められている行為が成立するための一定の状況をいいます。
実行行為とは構成要件に該当する結果発生の現実的危険性のある行為をいいます。
結果について構成要件は通常一定の結果の発生を構成要件要素として規定しています。この発生すべき一定の結果を構成要件的結果といいます。
因果関係について結果犯では行為と結果との間の因果関係が構成要件要素となります。
犯罪の分類
挙動犯とは構成要件的行為としての人の外部的態度があれば足り結果の発生を必要としない犯罪をいい住居侵入罪や偽証罪がその例です。結果犯とは構成要件的行為のみならず一定の結果の発生が必要とされる犯罪をいい殺人罪や窃盗罪等の大部分の犯罪がこれに当たります。
形式犯とは一定の法規に形式的に違反しただけで成立し法益侵害の抽象的危険の発生さえも必要としない犯罪をいいます。実質犯とは一定の法益の侵害又は危険を内容とする犯罪をいい侵害犯と危険犯に分けられます。侵害犯とは法益が現実に侵害されることを必要とする犯罪をいい殺人罪や窃盗罪がその例です。危険犯とは単に法益侵害の危険の存在だけで足りる犯罪をいい抽象的危険犯と具体的危険犯に分けられます。抽象的危険犯とは一般的に定型的に危険な行為そのものが処罰されている犯罪をいい現住建造物等放火罪や名誉毀損罪がその例です。具体的危険犯とは法益侵害の具体的かつ現実的な危険の発生を要件とする犯罪をいい自己所有非現住建造物等放火罪や往来危険罪がその例です。
即成犯とは一定の法益侵害又は危険の発生によって犯罪は直ちに完成しかつ終了するものをいい殺人罪や放火罪がその例です。状態犯とは一定の法益侵害の発生によって犯罪は終了しその後の法益侵害状態の存続は犯罪事実とみなされないものをいい窃盗罪や横領罪がその例です。継続犯とは一定の法益侵害が継続している間犯罪の継続が認められるものをいい逮捕監禁罪や保護責任者不保護罪がその例です。継続犯においては犯罪の継続中は共犯の成立や正当防衛が可能です。
結果的加重犯とは基本となる構成要件が実現された後にさらに一定の結果が発生した場合について加重処罰するものをいい傷害致死罪や保護責任者遺棄致死傷罪がその例です。
主観的構成要件要素
一般的主観的要素として故意とは犯罪事実を認識し表象することをいいます。過失とは不注意によって犯罪事実の認識や表象を欠くことをいいます。
特殊的主観的要素としてその要否につき争いがありますが目的犯における目的、傾向犯における主観的傾向及び表現犯における心理的過程があります。目的犯における目的の例として偽造罪における行使の目的や営利目的等拐取罪における営利の目的があります。傾向犯とは行為者の心情又は内心の傾向を構成要件要素とする犯罪をいいます。表現犯とは行為の要素として行為者の心理的経過又は内心状態の表現を必要とする犯罪をいい偽証罪がその例です。
記述的構成要件要素と規範的構成要件要素
記述的構成要件要素とは構成要件要素の存否の認定について価値判断を入れずに裁判官の解釈ないし認識的活動によって確定できるものをいいます。殺人罪における人及び殺すという行為がその例です。
規範的構成要件要素とは構成要件要素の存否の認定について裁判官の規範的かつ評価的な価値判断を要するものをいいます。法的評価による判断を必要とするものとして窃盗罪における他人の財物があり認識上の評価を必要とするものとして詐欺罪における人を欺く行為があり文化的評価による判断を必要とするものとしてわいせつの概念があります。
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