直接民主制と代表民主制

民主主義の理念を実現する統治方法として直接民主制と代表民主制があります。直接民主制とは国民が直接立法その他の統治作用を行う制度であり、国家意思の決定を国民自ら行います。代表民主制すなわち間接民主制とは国民の公選にかかる議員を全部又は一部の構成分子とする合議体としての議会が主権者たる国民に代わって統治権を行使する制度であり、国家意思の決定は代表者のみが行います。

日本国憲法における民主制

日本国憲法は代表民主制すなわち間接民主制を原則としています。その理由は、国家の統一的意思の形成には実質的な討論の確保が必要であること、直接民主制を採用すると多数決主義的民主主義に陥る危険があり少数者の人権侵害の危険が増大すること、国民は国政について適切な判断を行う政治的素養と時間をもたないことにあります。

もっとも、日本国憲法は例外的に直接民主制を採用しています。具体的には、憲法改正承認の国民投票、最高裁判所裁判官の国民審査、地方自治特別法の住民投票が挙げられます。

選挙の意義

選挙とは有権者からなる選挙人団によって国会議員を選定する行為であり、国会という国家機関を組織するうえで不可欠の前提となる行為です。代表民主制においては議会の行動は国民の意思を反映するものとみなされます。そして民主主義原理に照らし議会及びその構成分子たる議員の地位は国民の意思によって直接に正当化されていなければなりません。それゆえ代表民主制と国民による直接的な選挙という選任方法とは密接不可分の関係にあります。

選挙に関する訴訟

選挙の適法と公正を確保するため、公職選挙法は選挙の不法や不正を広く裁判所に訴えて争い是正する途を開いています。選挙に関する訴訟としては、選挙人名簿の登録に関し不服のある選挙人が提起できる選挙人名簿に関する訴訟、選挙人や公職の候補者であれば誰でも選挙の全部又は一部の無効を主張して争うことのできる選挙訴訟、選挙自体は有効であるが当選人の決定に誤りがあるとして当選しなかった者が争う当選訴訟があります。

政党の意義

政党とは政治上の意見を同じくする人々がその意見を実現するために組織する任意の団体をいいます。

代表民主制と政党

代表民主制は国民の多様な意思が議会を通じて国政に反映されてはじめて有効に機能します。政党は国民の様々な意見や利益を国政に反映させる最も有力な媒体であり、代表民主制が機能するうえで不可欠の役割を担います。それゆえ代表民主制の国家は政党が政府を組織して統治を行う政党国家の形態をとります。

権力分立制度への影響

現代国家においては国民と議会を媒介する組織として政党が発達し、政党が国家意思の形成に事実上主導的な役割を演じており、権力分立制度は伝統的な議会と政府の関係から政府与党と野党の対抗関係へと機能的に変化しています。

政党の自律性

政党は政治上の信条や意見等を共通にする者が任意に結成する政治結社であって、内部的には通常自律的規範を有しその成員である党員に対して政治的忠誠を要求したり一定の統制を施すなどの自治権能を有するものであり、国民がその政治的意思を国政に反映させ実現させるための最も有効な媒体であって議会制民主主義を支えるうえにおいてきわめて重要な存在であるとされています。

日本国憲法と政党

日本国憲法は結社の自由を保障するだけで政党に関する特別の規定を何ら設けていません。しかし憲法の定める議会制民主主義は政党を無視しては到底その円滑な運用を期待することはできないとして、憲法は政党の存在を当然に予定していると解されています。これはトリーペルの発展図式にいう承認と合法化の段階にあるといえます。

トリーペルの発展図式とは国家の政党に対する態度の歴史的変遷について、敵視する段階、無視する段階、承認及び合法化する段階、憲法的編入の段階に分ける見解をいいます。日本は承認及び合法化の段階にあるとされています。なおドイツの憲法では政党の存在意義や設立、内部秩序に関する規定が設けられ、さらに自由な民主的基本秩序に反する政党は連邦憲法裁判所によって違憲とする旨が定められており、トリーペルの発展図式にいう憲法的編入の段階に踏み出したといわれています。

政党に関する法律

政治資金規正法、政党助成法、政党交付金の交付を受ける政党等に対する法人格の付与に関する法律、公職選挙法、国家公務員法などの法律でそれぞれの目的に応じた政党に関する定めが置かれています。

政治資金規正法上の政党要件としては、政治団体のうち所属国会議員5人以上のもの又は前回の衆議院議員総選挙若しくは前回もしくは前々回の参議院議員通常選挙のいずれかの選挙における得票率2パーセント以上のものが政党とされています。

政党助成法に基づく助成の対象となる政党は、衆議院議員又は参議院議員を5人以上有する政治団体か、又は1人以上の衆議院議員若しくは参議院議員を有するもので直近の国政選挙において有効投票総数の2パーセント以上の得票をした政治団体です。なお党員による党首の定期的選挙を実施することなどの条件は定められていません。同法に対しては助成の対象となる政党が政治的にある程度の地位を獲得した既存政党に限定されているため既成政党が優遇される一方で新たな政党の登場が抑制されるとの批判がなされています。

政党の内部秩序と自律権

憲法上政党に関する特別の規定は何ら設けていない以上その公的性格を重視して他の種類の結社と区別し法的強制力をもって政党の内部秩序を民主的原則に適合すべきことを要求することは憲法上許されないとされています。政党に対しては高度の自主性と自律性を与えて自主的に組織運営をなしうる自由を保障しなければなりません。そのため法律により政党の役員や党員等の名簿、活動計画書を提出させたうえで政党の設立を許可する制度を設けることは政党の自主性と自律性を害する度合いが強く違憲です。

政党と会派

政党と概念上区別される会派とは国会の議院内で活動をともにする議員の団体すなわち院内団体で2人以上の議員で結成できます。通常同一政党に属する議員は同一会派に属します。また院内活動の便宜上複数の政党から結成すること、無所属議員が集まって結成することもあります。

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