外国人の社会権

外国人に社会権が保障されるかどうかについて3つの説があります。

A説は、社会権は外国人には保障されないと解します。その理由として、社会権はまず各人の所属する国により保障されるべき権利であることが挙げられます。

B説は、社会権は外国人には当然には保障されないが、立法政策によって社会権の保障を外国人にも及ぼすことは可能であると解します。その理由として、社会権が第一次的には各人の所属する国によって保障されるべき権利であるとしてもその保障が参政権と同じように外国人に対して原理的に排除されていると解するのは妥当ではないこと、および生存の基本にかかわるような領域で一定の要件を有する外国人に憲法の保障を及ぼす立法が社会権の性質に矛盾するわけではないことが挙げられます。

C説は、少なくとも日本社会に居住し国民と同一の法的かつ社会的負担を担っている定住外国人には社会権の保障が及ぶと解します。その理由として、定住外国人は国民と同じく租税を払っている以上、社会保障が国庫負担によるからといって定住外国人を排除する根拠とはならないことが挙げられます。

塩見訴訟

塩見訴訟において最高裁判所は、社会保障上の施策において在留外国人をどのように処遇するかについては、国は特別の条約の存しない限りその政治的判断によりこれを決定することができるのであり、その限られた財源のもとで福祉的給付を行うに当たり自国民を在留外国人より優先的に扱うことも許されると判示しました。

また、別の判例において最高裁判所は、生活保護法が不法残留者を保護の対象に含めるかどうかは立法府の裁量の範囲に属することは明らかであるとし、不法残留者が緊急に治療を要する場合についてもこの理が当てはまるとしました。そして、生活保護法が不法残留者を保護の対象としていないことは憲法25条に違反せず、また何ら合理的理由のない不当な差別的取扱いには当たらないから憲法14条1項にも違反しないとしました。

外国人の国務請求権

裁判を受ける権利は外国人であっても保障されます。

国家賠償請求権は、相互保証のあるときに限り外国人にも保障が及びます。

外国人の政治活動の自由

マクリーン事件において最高裁判所は、政治活動の自由についても我が国の政治的意思決定またはその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位に鑑みこれを認めることが相当でないと解されるものを除きその保障が及ぶと判示しました。

しかしながら、外国人に対する憲法の基本的人権の保障は外国人在留制度の枠内で与えられているにすぎず、在留期間中の憲法の基本的人権の保障を受ける行為を在留期間の更新の際に消極的な事実として斟酌されないことまでの保障が与えられているものと解することはできないとしました。

外国人のプライバシー権

指紋押捺事件において最高裁判所は、個人の私生活上の自由の一つとして何人もみだりに指紋の押捺を強制されない自由を有するものというべきであり、国家機関が正当な理由もなく指紋の押捺を強制することは憲法13条の趣旨に反して許されないとしました。また、この自由の保障は我が国に在留する外国人にも等しく及ぶと判示しました。

ただし、外国人登録法の指紋押捺制度は外国人の居住関係及び身分関係を明確にするための最も確実な制度であり、その立法目的には合理性と必要性が認められるとしました。

外国人の経済的自由権

外国人に経済的自由権が保障されると解しても、必ずしも日本国民と全く同様の保障を要するわけではありません。合理的理由のある限り日本国民と異なる制約も許されます。たとえば、公共的性格の強い職種について外国人の職業選択の自由を制限することや、財産権のうち土地所有権に関して当該外国人の国籍帰属国の日本国民に対する取扱方法に留意して相互主義的制約を定めることが考えられます。

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