期限の意義
期限とは法律行為の効力の発生又は消滅若しくは債務の履行を将来到来することの確実な事実の発生にかからしめる法律行為の付款をいいます。
始期とは法律行為の効力の発生又は債務の履行に関する期限をいい終期とは法律行為の効力の消滅に関する期限をいいます。確定期限とは到来する時期の確定している期限をいい不確定期限とは到来することは確実ですがその時期がいつか不明な期限をいいます。
期限に親しまない行為
効果が直ちに発生すべき親族法上の行為には期限を付けることは許されません。婚姻や縁組がその例です。
遡及効のある行為にも期限を付けるのは無意味であるため明文で禁止されています。相殺や解除がその例です。
期限の到来の効果
135条1項は法律行為に始期を付したときはその法律行為の履行は期限が到来するまでこれを請求することができないと定めています。債務の履行に始期が付されたときは期限到来時から請求が可能となります。法律行為の効力に始期が付されたときは期限到来時に効力を生じます。
135条2項は法律行為に終期を付したときはその法律行為の効力は期限が到来した時に消滅すると定めています。
期限の到来に条件成就の場合のように遡及効を与えることは自己矛盾です。
期限の利益
136条1項は期限は債務者の利益のために定めたものと推定すると定めています。期限の利益とは期限が到来するまでの間に法律行為の効力の発生又は消滅若しくは債務の履行が猶予されることによって当事者が受ける利益をいいます。なお有償の金銭消費貸借は当事者の双方が期限の利益を有します。
期限の利益の放棄
136条2項は期限の利益は放棄することができると定めています。ただしこれによって相手方の利益を害することはできません。期限の利益は原則として単独で放棄が可能ですがこれにより相手方が損害を受けた場合にはその損害を賠償しなければなりません。弁済期前に借入金を返済する場合でも債権者に弁済期までの利息を支払う必要があるとされています。136条2項ただし書は期限の利益の放棄それ自体を禁止するものではないと一般に解されています。
期限の利益の喪失
137条は一定の場合に債務者は期限の利益を主張することができないと定めています。債務者が信用の基礎を失い信頼関係を破る場合に公平の見地から債務者の期限の利益を奪い債権者保護を図る趣旨です。
期限の利益の喪失事由は3つあります。第1に債務者が破産手続開始の決定を受けたときです。第2に債務者が担保を滅失させ、損傷させ又は減少させたときです。この場合債務者の故意又は過失は要しないとされています。第3に債務者が担保を供する義務を負う場合においてこれを供しないときです。
期限の利益喪失約款
期限の利益喪失約款とは割賦払債務で債務者が1回でも弁済を怠った場合や債務者が他から強制執行を受けた場合には債務者が期限の利益を失うことを内容とする約款をいいます。このような約款も債務者又は第三者の利益を不当に害するものでない限り有効です。
期間の計算の通則
138条は期間の計算方法は法令若しくは裁判上の命令に特別の定めがある場合又は法律行為に別段の定めがある場合を除きこの章の規定に従うと定めています。期間とはある時点からある時点までの継続した時間の区分をいいます。将来に向かって継続する期間のみならず過去に遡って継続する期間にも準用されます。
期間の起算
139条は時間によって期間を定めたときはその期間は即時から起算すると定めています。
140条は日、週、月又は年によって期間を定めたときは期間の初日は算入しないと定めています。ただしその期間が午前零時から始まるときはこの限りではありません。これを初日不算入の原則といいます。
期間の満了
141条は期間はその末日の終了をもって満了すると定めています。
142条は期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他の休日に当たるときはその日に取引をしない慣習がある場合に限り期間はその翌日に満了すると定めています。
暦による期間の計算
143条1項は週、月又は年によって期間を定めたときはその期間は暦に従って計算すると定めています。
143条2項は週、月又は年の初めから期間を起算しないときはその期間は最後の週、月又は年においてその起算日に相当する日の前日に満了すると定めています。ただし月又は年によって期間を定めた場合において最後の月に相当する日がないときはその月の末日に満了します。
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