人権の国際的保障の背景
現代においては、ナチズムやファシズムによる人権侵害という苦い経験を踏まえ、人権を国内法的にのみならず国際的にも保障しようとする傾向が強まっています。
国連憲章
国連憲章は、人権及び基本的自由の尊重の助長と奨励をその目的の一つとし、加盟国に対しその目的達成のため国連と協力して行動すべきことを要請しています。
世界人権宣言
世界人権宣言は、国連憲章で明記されなかった各種の権利と自由を明らかにし、人権保障の国際的基準を示す文書です。ただし、国連総会の決議であるにすぎず、加盟国に対する法的拘束力を持ちません。
国際人権規約
国際人権規約は、加盟国に対して法的拘束力を有する条約であり、世界人権宣言に掲げられた人権の保障を目的とするものです。さらに、自決権の尊重なくして人権保障はありえないという見地から、人民の自決の権利をも保障しています。
国際人権規約は、社会権規約、自由権規約、および自由権規約の実施を確保するための選択議定書の3つの条約から成ります。日本は社会権規約と自由権規約については若干の留保付きで批准していますが、選択議定書については批准していません。
社会権規約は社会権的性格の権利の保護を目的とするものであり、締約国は権利実現を漸進的に達成する義務を負います。
自由権規約は自由権的性格の権利の保護を目的とするものであり、締約国は権利実現の即時実施の義務を負います。
選択議定書は、国際機構とは別に個人の資格で選ばれた専門家により構成される規約人権委員会が、権利を侵害されたとする個人からの通報を受理し検討する権限を認めるものです。これを個人通報制度といいます。
その他の重要な人権条約
国際人権規約以外の重要な人権条約としては、難民の地位に関する条約と、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約があり、日本はこれらの条約の締約国となっています。
なお、地域的な人権条約として欧州人権条約があり、そのもとでは欧州人権裁判所が設置されており人権保障に大きな役割を果たしています。
人権の固有性、不可侵性、普遍性
人権には固有性、不可侵性、普遍性という3つの性質があります。
固有性とは、人権が憲法や天皇から恩恵として与えられたものではなく、人間であることにより当然に有するとされる権利であることをいいます。人権の固有性から、生命、自由および幸福追求権を根拠に新しい人権が認められることがあります。
不可侵性とは、人権が原則として公権力により侵されないことをいいます。企業などの私的団体による人権侵害に関して、憲法の私人間における適用の可否が問題となります。
普遍性とは、人権は人種、性、身分などの区別に関係なく、人間であるというだけで当然にすべて享有できることをいいます。天皇や外国人等の人権享有主体性が問題となります。
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