権力分立制の確立
権力が法に服するという法の支配を実現するためには、まず、権力自らが自己の服すべき法を制定してはならず、また、法に服したかどうかの最終的な判断権は法に服すべき権力に与えられてはなりません。
ここに、立法権、執行権、裁判権が分離された理由があります。立法権とは法を制定する権力であり、執行権とは制定された法を執行する権力であり、裁判権とは執行の法適合性を判断する権力です。
ただし、権力分立の具体的な在り方は国によって異なります。
立法権優位型はヨーロッパ型、特にフランス型と呼ばれるものです。この型では、三権は同格ではなく、国民の代表者から成る立法権が国政の中心的地位にあります。法律による行政、法律による裁判が原則とされ、権力分立は立法権の優位を中核としていました。
三権対等型はアメリカ型と呼ばれるものです。この型では、三権は同格で相互に独立かつ不可侵であり、権力相互の抑制と均衡に重点が置かれていました。
権力分立制の変容
現代においては、権力分立制にいくつかの変容が生じています。
第一に、行政国家現象があります。積極国家や社会国家の要請に伴って行政権の役割が飛躍的に増大したため、行政権が肥大化しました。その結果、本来は執行権にすぎない行政権が、国の基本的政策の形成や決定において事実上中心的な役割を果たす現象が顕著になりました。
第二に、政党国家現象があります。現代国家においては政党が発達し、国家意思の形成において重要な機能を果たしています。特に議院内閣制のもとでは、下院の多数派政党が立法権と行政権を一元的に支配するという状況が生じています。そのため、伝統的な立法権と行政権の対抗関係は、政府や与党と野党との対抗関係へと変化しています。
第三に、司法国家現象があります。行政国家現象と政党国家現象によって、法の制定と法の執行の区別が曖昧になり、その区別を前提とする行政の法律適合性の原則の意味が薄れてきました。そこで、それを補うべく、違憲審査権によって司法権が立法権と行政権をコントロールし、政策形成機能を果たす状況が見られるようになっています。
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