婚姻の無効
742条は婚姻は人違いその他の事由によって当事者間に婚姻をする意思がないとき及び当事者が婚姻の届出をしないときに限り無効とすると定めています。ただしその届出が所定の方式を欠くだけであるときは婚姻はそのためにその効力を妨げられません。
婚姻無効原因があれば表意者の過失の有無を問わず無効です。人違いとは婚姻の相手方の同一性に関する錯誤をいい性格や病気、生殖能力等に関する錯誤は無効原因とはなりません。
婚姻届書作成後の翻意
届出を婚姻の成立要件とみる立場においても相手方若しくは届出委託をした者に対して明確な意思表示をするか戸籍事務担当者に対し書面により不受理を申し出た場合でなければ無効を主張できないとされています。
婚姻届受理時の意思能力喪失
他人に婚姻届を委託した当事者が届書の作成当時婚姻意思を有していれば届出受理当時意識を失っていたとしても届書受理前に死亡した場合と異なり婚姻は有効に成立するとされています。
無効な婚姻の追認
事実上の夫婦の一方が他方の意思に基づかないで婚姻届を提出した場合において婚姻届を作成提出した当時に夫婦としての実質的生活関係が存在しており後に他方の配偶者が届出の事実を知ってこれを追認したときは婚姻は追認によりその届出の当初に遡って有効となるとされています。
婚姻の取消し
743条は婚姻は所定の規定によらなければ取り消すことができないと定めています。
婚姻の取消事由は婚姻障害に抵触する婚姻と詐欺又は強迫による婚姻です。
婚姻取消しの取消権者
婚姻障害の場合には原則として各当事者、その親族及び検察官が取消権者となります。ただし検察官は当事者の一方が死亡した後はこれを請求することができません。重婚の場合には前婚の配偶者も取消権者に含まれます。詐欺又は強迫の場合には詐欺又は強迫を受けた当事者のみが取消権者となります。詐欺は配偶者によるものか第三者によるものかを問いません。
婚姻取消しの期間制限
婚姻障害を理由とする取消しには原則として期間制限はありません。ただし不適齢婚については不適齢者以外の者は不適齢者が適齢に達したときは取り消すことができなくなり不適齢者本人は適齢に達した後3か月以内に取消しを請求することができますが適齢に達した後に追認をしたときは取り消すことができなくなります。
重婚については後婚が離婚によって消滅した場合には特段の事情がない限り後婚を取り消す法律上の利益はなくなるため取り消すことができなくなります。
詐欺又は強迫による婚姻は詐欺を発見し又は強迫を免れた時から3か月を経過したとき又は追認をしたときは取り消すことができなくなります。
婚姻取消しの効力
748条1項は婚姻の取消しは将来に向かってのみその効力を生ずると定めています。これは継続した婚姻の事実を尊重する趣旨です。
婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が婚姻によって財産を得たときは現に利益を受けている限度においてその返還をしなければなりません。婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならずこの場合において相手方が善意であったときはこれに対して損害を賠償する責任を負います。
子の身分に関してはすべて嫡出子に関する規定が適用され婚姻による準正の効果にも影響がありません。
離婚の規定の準用
749条は離婚による姻族関係の終了、離婚後の子の監護、離婚による復氏、財産分与及び離婚の際の親権者の決定等の規定を婚姻の取消しについて準用すると定めています。婚姻取消しの効果は離婚に類似するためです。
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