共犯の意義と種類

共犯とは2人以上の行為者が共同して犯罪を実現する場合をいいます。共犯は任意的共犯と必要的共犯に分けられます。

任意的共犯とは法律上単独犯として予定されている犯罪を2人以上の行為者が共同して行う場合をいい広義の共犯ともいいます。任意的共犯には共同正犯、教唆犯及び幇助犯があります。

60条は2人以上共同して犯罪を実行した者はすべて正犯とすると定めています。61条1項は人を教唆して犯罪を実行させた者には正犯の刑を科すると定め同条2項は教唆者を教唆した者についても同様とすると定めています。62条1項は正犯を幇助した者は従犯とすると定め同条2項は従犯を教唆した者には従犯の刑を科すると定めています。63条は従犯の刑は正犯の刑を減軽すると定めています。64条は拘留又は科料のみに処すべき罪の教唆者及び従犯は特別の規定がなければ罰しないと定めています。

必要的共犯の意義

必要的共犯とは刑法各則の規定又はその他の刑罰法規上2人以上の者の共同の犯行を予定して定められた犯罪をいいます。必要的共犯は多衆犯と対向犯の2種類に分けられます。

多衆犯

多衆犯とは犯罪の成立上同一の目標に向けられた多衆の共同行為が必要とされる犯罪をいいます。集合犯又は集団犯ともいいます。その関与者の処罰は関与の態様及び程度に応じて段階付けられています。内乱罪や騒乱罪がその例です。

対向犯

対向犯とは2人以上の行為者の互いに対向した行為の存在することが要件とされる犯罪をいいます。対向犯は処罰の形式から見た場合3つに分類できます。対向者の双方に同一の法定刑が規定されている場合として重婚罪があります。対向者のそれぞれに異なった法定刑が規定されている場合として賄賂罪があります。対向者の一方だけが処罰される場合としてわいせつ物頒布罪があります。

必要的共犯に対する共犯規定の適用

必要的共犯については総則の共犯規定は適用されず関与者はそれぞれ正犯として処罰されることになりこの点にこそ必要的共犯という概念の存在意義があります。

多衆犯における共犯規定の適用の可否

多衆犯の場合集団内部の者はその関与形態に従って処罰されるので共犯規定を適用する余地はありませんが集団外部から関与する行為については共犯規定の適用があるかが問題となります。

否定説は多衆犯は集団的行動への関与を一定の態様と限度でのみ処罰しようとするものである以上それ以外の態様の関与行為は処罰の外に置かれるべきであることを根拠とします。

肯定説は刑法は集団を構成する者を類型化して特別の処罰規定を設けているのであるから集団を構成する者に対しては共犯規定を適用できないが集団外において集団に協力する者に共犯規定を適用することは何ら差し支えないこと及び破壊活動防止法は内乱の教唆を独立罪として処罰しているが被教唆者が内乱の実行に着手した場合この教唆が不可罰になるとは考えにくいことを根拠とします。

対向犯における共犯規定の適用の可否

対向犯において一方にしか処罰規定がない場合に他方に共犯規定を適用してこれを処罰することができるかが問題となります。

立法者意思説は相手方の関与行為が可罰的な対向行為に通常随伴するものとして類型的に含まれているときは共犯規定の適用はないがその限度を超える場合は共犯規定が適用されるとする見解です。法律が対向犯の一方のみを犯罪類型と規定しているときは他方の関与行為については不可罰とするのが立法者の意思であることを根拠とします。立法者意思説に対しては不可罰な必要的関与行為の限界が不明確であると批判されています。

個別的実質説は必要的関与行為の不可罰性を個別的に検討しその実質的根拠を明らかにしようとする見解です。必要的共犯の一方を処罰しない理由が共犯者に違法性がないか責任がないかどちらかである場合には実質的に考える必要があることを根拠とします。個別的実質説に対しては保護法益をどのように捉えるか及び期待可能性の存否をどのように判断するかによって結論を異にすることになり法適用が不安定となると批判されています。

対向犯に関する判例

判例はある犯罪が成立するについて当然予想されむしろそのために欠くことができない関与行為についてこれを処罰する規定がない以上これを関与を受けた側の可罰的な行為の教唆もしくは幇助として処罰することは原則として法の意図しないところと解すべきであるとしています。

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