意思能力の意義

意思能力とは自己の行為の結果を弁識するに足るだけの精神能力をいいます。すなわち自分の行為の利害得失を判断する知的能力であり7歳から10歳程度の者の精神能力があれば意思能力が認められると解されています。

3条の2は法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときはその法律行為は無効とすると定めています。本条は判断能力が不十分な者による意思表明に完全な拘束力を認めることは表意者本人の保護に欠けることになるため意思能力を欠く者の行為は無効であるとした判例を明文化したものです。

意思無能力の効果

法律行為の当事者が意思表示をした時に意思能力を有しなかったときはその法律行為は無効となります。第三者保護規定は存在しません。意思無能力者は現に利益を受けている限度において返還の義務を負います。

意思無能力による無効を主張することができるのは意思無能力者たる表意者側のみであり相手方は無効を主張することができません。これは本制度が表意者本人の保護を目的とする制度であるためです。

意思能力と行為能力の区別

能力の概念を整理すると以下のようになります。権利能力とは私法上の権利及び義務の帰属主体となる地位又は資格をいい自然人及び法人に認められます。権利能力を欠く者には権利及び義務が帰属しません。

意思能力とは行為の結果を弁識するに足るだけの精神能力をいい具体的行為ごとに判断されます。7歳から10歳程度の能力があれば認められ意思能力を欠く者の法律行為は無効となります。

責任能力とは不法行為の面で自己の行為の責任を弁識するに足る精神能力をいい具体的行為ごとに判断されます。判例上は意思能力より少し高く11歳から12歳程度の能力で認められるとされています。責任能力を欠く者は不法行為責任を負いませんが監督義務者の責任が問題となります。

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