因果関係の意義
因果関係とは実行行為と構成要件的結果との間にある一定の原因と結果との関係をいいます。因果関係が否定された場合にはたとえ結果が発生しても因果関係が欠ければその結果をその行為に帰属させることができないから未遂犯の成否が問題となるにすぎません。
因果関係が問題となる犯罪類型は結果犯、結果的加重犯及び過失犯であり結果が発生してはじめて因果関係の問題となります。構成要件上結果を必要としない挙動犯については問題となりません。
条件関係の意義
条件関係とは当該行為が存在しなければ当該結果が発生しなかったであろうという関係をいい「あれなければこれなし」の公式とも呼ばれます。因果関係の内容として条件関係が必要であることは争いありません。
条件関係の判断方法
条件関係の判断にあたっては具体的に発生した結果について検討します。死亡の結果を抽象的に考えずに時刻、場所、形態などを含めて具体的に検討する必要があります。
付け加え禁止の原則として条件関係は現実に存在しなかった事実である仮定的事実を付け加えて判断してはなりません。したがって現にある行為から結果が発生しているが仮にその行為がなかったとしても別の事情から同じ結果を生じたであろうとみられる場合である仮定的因果経過であっても条件関係は肯定されます。
条件関係の断絶
条件関係の断絶とは同一の結果に向けられた先行条件が功を奏しないうちにそれと無関係な後行条件によって結果が発生した場合に先行条件と結果との間に条件関係がないとすることをいいます。
択一的競合
択一的競合とは競合したある結果を発生させた2個以上の各行為が単独でもそれぞれその結果を生じさせ得たと考えられる場合をいいます。意思の連絡なく2人がそれぞれ致死量の毒薬を投入し被害者が死亡したような場合に一方の行為を取り除いても他方の行為により死亡の結果が生じることからあれなければこれなしとはいえず条件関係が否定される結果それぞれ殺人未遂罪が成立し得るにとどまるという不合理な結論を生じます。
このような不合理を回避するための方法として合法則的条件公式が主張されています。合法則的条件公式は条件関係を自然法則に基づいて判断するものであり具体的結果が発生した場合にその結果と行為の間に経験法則上の合法則的関係が認められるときは条件関係を肯定します。また重畳的因果関係として各行為が競合して結果を生じさせたと評価できる場合にはそれぞれの行為と結果との間に条件関係を肯定する見解もあります。
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