身分権

身分権とは身分関係に基づいて親族法上有する権利のことです。財産権に比べ一身専属性が強く譲渡性や相続性がありません。また他人による代行は原則として許されません。

身分行為

身分行為とは身分上の法律効果を発生させる法律行為をいいます。

身分行為には以下の特色があります。まず要式性について形成的身分行為すなわち直接的に身分の創設や廃止を生ぜしめる最も基本的な身分行為は原則として戸籍の届出が必要となります。次に能力について身分行為には財産的法律行為の場合ほど高度の能力は要求されず形成的身分行為の場合には意思能力と一致します。成年被後見人であっても婚姻や協議上の離婚、認知、縁組及び協議上の離縁は可能です。

身分行為における意思についてはなるべく本人の意思が尊重され財産的法律行為におけるような取引の安全の要請による第三者保護の面からの修正は受けません。身分行為の無効と取消しについても財産的法律行為におけるような外観尊重の要請が働かないため瑕疵ある意思表示や意思の欠缺に関する法律行為の規定は原則として身分行為に適用されず身分行為には特別の規定が設けられています。また本人の意思を尊重すべく身分行為については原則として代理が許されず例外は極めて限定的です。

総則編の取消しと親族編の取消しの相違

総則編の取消しは遡及効がありますが親族編では婚姻及び縁組の取消しは非遡及とされています。もっとも離婚及び離縁の取消しは遡及効があります。取消権の存続期間については総則編では5年ないし20年とされていますが親族編では3か月又は6か月と短くされています。取消権の行使方法については総則編では裁判外の行使も可能ですが親族編では必ず訴えの形式によることが必要です。

親族の範囲

725条は6親等内の血族、配偶者及び3親等内の姻族を親族とすると定めています。

親等の計算

726条1項は親等は親族間の世代数を数えてこれを定めると規定しています。同条2項は傍系親族の親等を定めるにはその1人又はその配偶者から同一の祖先にさかのぼりその祖先から他の1人に下るまでの世代数によると定めています。

血族

血族には実際に血のつながりのある自然血族と養子縁組によって血族の関係が擬制される法定血族とがあります。

配偶者

配偶者とは法律上の婚姻関係にある相手方すなわち夫からみた妻、妻からみた夫を意味します。配偶者は親族の中で特殊な地位にあり血族でも姻族でもなく親等もありません。

姻族

自己の配偶者の血族又は自己の血族の配偶者を姻族といいます。

直系親族と傍系親族

直系親族とは血統が直上及び直下する形で連結する親族をいいます。傍系親族とは血統が共同の始祖によって連結する親族をいいます。

縁組による親族関係の発生

727条は養子と養親及びその血族との間においては養子縁組の日から血族間におけるのと同一の親族関係を生ずると定めています。

自然血族関係は出生により生じ出生届は報告的届出です。法定血族関係は養子縁組により生じます。もっとも養親と養子の血族の間に親族関係は生じません。また縁組以前に生まれた養子の直系卑属と養親の間にも親族関係は生じません。

姻族関係は婚姻を媒介として夫婦の一方と他方の血族との間に生じます。一方の血族と他方の血族との間には親族関係は生じません。配偶者関係は婚姻により生じ内縁関係では生じません。

姻族関係の終了

728条1項は姻族関係は離婚によって終了すると定めています。同条2項は夫婦の一方が死亡した場合において生存配偶者が姻族関係を終了させる意思を表示したときも同様とすると定めています。

死亡により婚姻が解消しても生存配偶者が姻族関係終了の意思表示をしない限り姻族関係は当然には終了しません。死亡配偶者の血族の側から姻族関係を終了させることはできません。

離縁による親族関係の終了

729条は養子及びその配偶者並びに養子の直系卑属及びその配偶者と養親及びその血族との親族関係は離縁によって終了すると定めています。

法定血族関係は離縁又は縁組の取消しにより終了し当事者間のみならず縁組によって生じた血族関係も終了します。縁組後に生まれた子と養親及びその血族との間の血族関係も終了します。

自然血族関係は死亡又は失踪宣告により終了します。姻族関係は離婚又は婚姻の取消しにより終了します。配偶者関係は死亡、婚姻の取消し又は離婚により終了します。

配偶者との姻族関係と氏

離婚の場合には姻族関係は当然に終了し氏は当然に復氏しますが離婚の際の氏を称することも可能です。死別の場合には生存配偶者からの意思表示により姻族関係が終了し復氏の意思表示があれば復氏します。

親族間の扶け合い

730条は直系血族及び同居の親族は互いに扶け合わなければならないと定めています。

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