騒乱罪の保護法益

騒乱の罪の保護法益は公共の平穏です。

騒乱罪

106条は多衆で集合して暴行又は脅迫をした者は騒乱の罪とし首謀者は1年以上10年以下の拘禁刑に処し他人を指揮し又は他人に率先して勢いを助けた者は6月以上7年以下の拘禁刑に処し付和随行した者は10万円以下の罰金に処すると定めています。

暴行及び脅迫の程度

騒乱罪における暴行及び脅迫は一地方の平穏を害するに足りる程度のものであることを要しかつそれで足ります。一地方の平穏を現実に害することは要せず一地方の平穏を害するに足りる程度の暴行又は脅迫がなされれば足りる抽象的危険犯です。一地方に該当するか否かについては単に暴行又は脅迫が行われた地域の広狭や居住者の多寡のみでなくその地域が社会生活において占める重要性やその地域を利用する一般市民の動きやその地域を職域として勤務する者の活動状況さらには当該騒動の様相がその周辺地域の人心にまで不安を与えるに足りる程度のものであったか等の観点から決定すべきであるとされています。

共同意思

本罪の暴行及び脅迫は多衆の共同意思によることを必要とします。共同意思は多衆の合同力をたのんで自ら暴行又は脅迫を行う意思、多衆に暴行又は脅迫を行わせる意思及び多衆の合同力に加わる意思の3つを内容とします。

行為態様と処罰

首謀者とは騒乱行為の主導者となって騒乱を首唱し画策し多衆にその合同力により暴行又は脅迫をさせる者をいいます。現場で自ら暴行又は脅迫を行うことや現場で暴行又は脅迫を指揮又は統率することは要しません。

指揮者とは騒乱に際して集団の全員又は一部の者に対して指図する者をいい暴行又は脅迫の現場で指揮することは必ずしも要しません。率先助勢者とは群衆から抜きん出て騒乱の勢力を増大させる行為をする者をいいます。自ら暴行又は脅迫をすることは要しません。

付和随行者とは多数の者が暴行又は脅迫を行うため形成しつつある集団又はすでに形成された集団に共同意思をもって付和雷同的に参加した者をいいます。自ら暴行又は脅迫をすることは要しません。

騒乱罪と他罪との関係

暴行又は脅迫が同時に殺人罪、住居侵入罪、建造物損壊罪、恐喝罪、公務執行妨害罪などに該当する場合には本罪とこれらの罪は観念的競合となります。

多衆不解散罪

107条は暴行又は脅迫をするため多衆が集合した場合において権限のある公務員から解散の命令を3回以上受けたにもかかわらずなお解散しなかったときは首謀者は3年以下の拘禁刑に処しその他の者は10万円以下の罰金に処すると定めています。首謀者とその他の者が区別され法定刑に差が設けられています。

内乱罪と騒乱罪の比較

内乱罪の保護法益は国家の存立であるのに対し騒乱罪の保護法益は公共の平穏です。内乱罪の行為は暴動であるのに対し騒乱罪の行為は暴行及び脅迫です。暴行又は脅迫の程度について内乱罪は一地方の平穏を害する程度であるのに対し騒乱罪は一地方の平穏を害するに足りる程度です。内乱罪には77条所定の目的が必要ですが騒乱罪には多衆の共同意思が必要です。内乱罪の未遂は処罰されますが付和随行者等は除かれます。騒乱罪の未遂は処罰されません。内乱罪の予備及び陰謀は処罰されますが騒乱罪の予備及び陰謀は処罰されません。内乱罪の幇助は処罰されますが騒乱罪の幇助は処罰されません。内乱罪の刑罰は死刑又は拘禁刑ですが騒乱罪の刑罰は拘禁刑又は罰金です。内乱罪は外国人の国外犯も処罰されますが騒乱罪は国内犯のみです。内乱罪と殺人や放火等の関係は吸収の関係にありますが騒乱罪と他罪との関係は観念的競合となります。

出水及び水利に関する罪の保護法益

出水及び水利に関する罪の保護法益は公衆の安全であり公共危険罪です。

現住建造物等浸害罪

119条は出水させて現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、汽車、電車又は鉱坑を浸害した者は死刑又は無期若しくは3年以上の拘禁刑に処すると定めています。

非現住建造物等浸害罪

120条1項は出水させて現住建造物等以外の物を浸害しよって公共の危険を生じさせた者は1年以上10年以下の拘禁刑に処すると定めています。同条2項は浸害した物が自己の所有に係るときはその物が差押えを受け、物権を負担し、賃貸し、配偶者居住権が設定され又は保険に付したものである場合に限り1項の例によると定めています。

水防妨害罪

121条は水害の際に水防用の物を隠匿し若しくは損壊し又はその他の方法により水防を妨害した者は1年以上10年以下の拘禁刑に処すると定めています。

過失建造物等浸害罪

122条は過失により出水させて現住建造物等を浸害した者又は非現住建造物等以外の物を浸害しよって公共の危険を生じさせた者は20万円以下の罰金に処すると定めています。

水利妨害罪及び出水危険罪

123条は堤防を決壊させ、水門を破壊しその他水利の妨害となるべき行為又は出水させるべき行為をした者は2年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処すると定めています。本罪の保護法益は水利権です。

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