形式的違法性と実質的違法性

形式的違法性とは行為が実定法規に違反することをいいます。形式的違法性は行為が法律上許されないということを形式的に示すにすぎません。

実質的違法性とは行為が全体としての法秩序に実質的に違反するという性質をいいます。実質的違法性の内容については基本的に結果無価値論と行為無価値論が対立しています。

結果無価値論と行為無価値論

結果無価値論は刑法の機能を法益保護に求め違法とは法益侵害及び危険を惹起することを意味するとする立場です。結果無価値論によれば違法性の判断は結果を中心に考えていくことになります。また法益侵害及び危険の判断をできるだけ科学的かつ客観的に判断すべきであると考えるので違法性阻却事由の具体的基準を定立するうえで行為者の主観を考慮すべきではないとします。

行為無価値論は刑法の機能を法益保護のみならず社会倫理秩序維持にも求め違法とは社会的相当性を逸脱して法益侵害及び危険を惹起することを意味するとする立場です。行為無価値論によれば違法性の判断は行為と結果を総合して考えていくことになります。また社会倫理的観点を無視して違法性を考えるのは適切でないと考えるので違法性阻却事由の具体的基準を定立するうえで行為者の主観や行為の社会的評価を考慮すべきであるとします。

両説とも刑法の役割を法益保護に求める点では共通していますが結果無価値論は刑法の機能を法益保護にのみ求める一方で行為無価値論は法益保護と社会倫理秩序維持の双方に求める点が異なります。また結果無価値論は違法性阻却事由の具体的基準を定立するうえで行為者の主観を考慮しないとする一方で行為無価値論は行為者の主観や行為の社会的評価を考慮すべきであるとする点が異なります。

可罰的違法性

可罰的違法性を欠くときに犯罪の成立を否定する考え方があります。判例は価格にして一厘分の葉煙草を手刻みで消費した事案について軽微な犯罪行為は犯人に危険性があると認められる特殊な状況の下に行われたものでない限り処罰の必要はないとしています。他方判例は電話の通話料金の支払を免れる機械を一度だけ使用したことについて偽計業務妨害罪などの成立を認めています。

違法性阻却の一般原理

違法性阻却の一般原理は違法性阻却事由の規定の解釈における重要性をもつばかりでなく不文の違法性阻却事由の要件論にとっても重要性をもちます。違法性阻却の一般原理は違法性の本質の議論と表裏をなし結果無価値論からは法益衡量説が行為無価値論からは目的説及び社会的相当性説が主張されています。

法益衡量説は価値の異なる法益が相対立する場合には価値の大きい利益のために価値の小さい利益を犠牲にすることが違法性阻却の一般原理であるとする見解です。目的説は正当な目的のための正当な手段だから正当化されるとする見解です。社会的相当性説は行為が社会生活上要求される基準行為から逸脱していないことが違法性阻却の一般原理であるとする見解です。

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