根保証の意義

根保証とは一定の期間の間に継続的に生じる不特定の債務を担保する保証をいいます。根保証には継続的な売買取引や銀行取引等から生ずる不特定の債務の保証である信用保証、不動産賃貸借から生ずる賃借人の債務の保証及び被用者についての身元保証の3類型があります。

根保証は保証期間の有無及び限度額の有無によって分類されます。保証期間も限度額も定められていないものを包括根保証といい包括根保証は保証人の責任が過大となることが多いことから保証人を保護する方向で解釈する必要があると考えられています。

根保証契約の被保証債権の譲渡

個人貸金等根保証契約に該当しない一般の根保証契約について根保証契約の被保証債権を譲り受けた者はその譲渡が当該根保証契約に定める元本確定期日前にされた場合であっても当該根保証契約の当事者間において被保証債権の譲受人の請求を妨げるような別段の合意がない限り保証人に対し保証債務の履行を求めることができます。

保証人の解約権

保証期間の定めがない場合には取引の性質から判断して相当な期間が経過した場合に保証人は一方的に契約を解約することができるという任意解約権が解釈上認められています。

特別解約権について保証期間の定めがない場合には自己責任の原則から保証人は相当期間が経過するまでは責任を免れないのが原則ですが根保証の場合は保証人保護の要請が強いことから特別の事情変更による解約権が認められます。保証期間の定めがある場合には任意解約権は認められませんが特別解約権については否定説と肯定説の対立があります。

解約権が発生しているにもかかわらず保証人が解約をしないため債権者が主たる債務者と取引を継続した場合に一切の債務が保証されるかについては無制限説と制限説の対立があります。制限説は保証人が支払っても主債務者から回収できないことを知りながら保証人が解約しないことを奇貨として債権者がそのまま取引を継続することは信義則に反し保証の範囲は信義則上妥当な範囲に限界付けられるべきであるとします。

根保証と相続

相続までに生じた個々の保証債務は当然に相続されます。しかし根保証契約の保証人たる地位は主債務者と保証人との間に人的に特別な関係があったために締結されたものであり被相続人の一身に専属したものに当たるため相続性は否定されます。身元保証についても相続性は否定されています。

賃借人の債務の保証

賃借人の債務の保証は不特定の債務を保証するという点で根保証に位置付けられるため保証人が個人である場合には個人根保証契約の規定が適用されます。

保証期間の定めのない場合でも相当期間が経過しただけでは保証契約の解約は認められません。保証人の予期しない額にわたる損害が生じる危険があまりないからです。ただし期間の定めのない保証契約を締結後相当の期間が経過しかつ賃借人がしばしば賃借料の支払を怠り将来においても誠実にその債務を履行する見込みがない場合には保証人は賃貸人に対する一方的意思表示により保証契約を解約できます。

保証人が死亡し相続が開始した場合にはこれにより元本の確定した債務に係る保証債務が相続の対象となります。相続開始後に生じた賃借人の債務について保証債務を負うことはありません。主たる債務者又は保証人の死亡は元本確定事由であるため賃借人が死亡した場合にその相続人が賃貸借関係を相続した後に生じた相続人の債務についても保証人が保証債務を負うことはありません。

個人根保証契約の保証人の責任等

465条の2第1項は一定の範囲に属する不特定の債務を主たる債務とする保証契約すなわち根保証契約であって保証人が法人でないものすなわち個人根保証契約の保証人は主たる債務の元本、主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのもの及びその保証債務について約定された違約金又は損害賠償の額についてその全部に係る極度額を限度としてその履行をする責任を負うと定めています。

同条2項は個人根保証契約は極度額を定めなければその効力を生じないと定めています。極度額を定めるとは当事者間の合意により金額的な上限を定めることをいいます。同条3項は極度額の定めには書面又は電磁的記録による要式性が求められると定めています。

保証人が個人の場合に限定されているのは個人の場合には人的無限責任を負うことに伴う経済生活の破綻のおそれがあるのに対し法人の場合にはそのようなおそれはない上に保証の要否や必要の範囲につき合理的な判断が期待できることからなお契約自由の原則に委ねるべきこととしたためです。

個人根保証契約の元本の確定事由

465条の4第1項は個人根保証契約における主たる債務の元本は次の場合に確定すると定めています。第1に債権者が保証人の財産について金銭の支払を目的とする債権についての強制執行又は担保権の実行を申し立てたときです。ただし強制執行又は担保権の実行の手続の開始があったときに限られます。担保権の実行の申立てには担保不動産競売のほか抵当不動産についての物上代位も含まれます。第2に保証人が破産手続開始の決定を受けたときです。第3に主たる債務者又は保証人が死亡したときです。

保証人が法人である根保証契約の求償権

465条の5第1項は保証人が法人である根保証契約において極度額の定めがないときはその根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約はその効力を生じないと定めています。法人保証を介在させて個人根保証契約の規定の適用を回避することで個人の求償保証の保証人が害されるのを防止する趣旨です。

同条2項は保証人が法人である根保証契約であってその主たる債務の範囲に貸金等債務が含まれるものにおいて元本確定期日の定めがないとき又は元本確定期日の定め若しくはその変更が効力を生じないものであるときはその根保証契約の保証人の主たる債務者に対する求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約はその効力を生じないと定めています。主たる債務の範囲にその求償権に係る債務が含まれる根保証契約についても同様です。

同条3項は求償権に係る債務を主たる債務とする保証契約又は主たる債務の範囲に求償権に係る債務が含まれる根保証契約の保証人が法人である場合には本条1項及び2項は適用されないと定めています。

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