面会要求等罪の保護法益

面会要求等罪の保護法益は16歳未満の者の性被害に遭う危険性のない保護された状態すなわち性的保護状態です。究極的には16歳未満の者の性的自由を保護するものと解されています。

16歳未満の者は性的行為に関する自由な意思決定の前提となる能力が十分に備わっていないため性犯罪の被害に遭う危険性が高いことから実際の性犯罪に至る前の段階であっても性的保護状態を侵害する危険を生じさせたりこれを現に侵害する行為を処罰することとされました。

面会要求等罪の客体

本罪の客体は16歳未満の者です。13歳以上16歳未満の者に対する行為については行為者が5年以上年長の者である場合に限られます。これは目的とされた行為が犯罪とならないのにその前段階の働きかけ行為が犯罪となるという矛盾を回避するためです。

面会要求等罪の行為態様

本罪の行為態様は一般に対面型と遠隔型に区別されます。対面型は対面での面会を目的として行われる類型であり遠隔型は性的な姿態の映像を送信させる類型です。

面会要求罪

182条1項は面会要求罪を規定しています。わいせつの目的で16歳未満の者に対し威迫し偽計を用い又は誘惑して面会を要求すること、拒まれたにもかかわらず反復して面会を要求すること及び金銭その他の利益を供与しまたはその申込み若しくは約束をして面会を要求することのいずれかの行為をした者は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられます。

面会要求罪は単なる要求行為を処罰の対象とするのではなく面会するかどうかの判断を一般的かつ類型的にゆがめるような不当な手段を用いて面会を要求する行為を処罰の対象としています。本罪はわいせつの目的を要する目的犯です。面会要求罪は性的保護状態に対する抽象的危険犯です。

面会罪

182条2項は面会罪を規定しています。面会要求罪を犯しよってわいせつの目的で当該16歳未満の者と面会をした者は2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金に処せられます。

面会罪は面会の要求行為の結果として行為者と対象者が実際に面会すなわち物理的な直接の対面をした場合に成立します。面会罪は性的保護状態を現に侵害する侵害犯であり面会要求罪よりも重く処罰されます。

映像送信要求罪

182条3項は映像送信要求罪を規定しています。16歳未満の者に対し性交や肛門性交又は口腔性交をする姿態をとってその映像を送信すること及び膣又は肛門に身体の一部又は物を挿入し又は挿入される姿態や性的な部位を触り又は触られる姿態及び性的な部位を露出した姿態その他の姿態をとってその映像を送信することを要求した者は1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処せられます。性的な部位とは性器若しくは肛門若しくはこれらの周辺部、臀部又は胸部をいいます。2号については当該行為をさせることがわいせつなものであるものに限られます。

映像送信要求罪は性的保護状態に対する抽象的危険犯とされています。わいせつな行為を行うことを要求している以上その限りで性的保護状態を現に侵害していると解する見解もあります。

面会要求等罪と他罪との関係

面会要求罪及び面会罪の行為の結果として実際にわいせつな行為や不同意性交等に及んだ場合には不同意わいせつ罪や不同意性交等罪が成立します。また映像送信要求罪の行為の結果として実際にそれらの映像を送信させた場合には不同意わいせつ罪が成立します。

この場合において面会要求等罪も同時に成立し牽連犯として処断されるかそれとも不同意わいせつ罪や不同意性交等罪に吸収されるかについては争いがあります。面会要求等罪は性的保護状態という独立の保護法益の侵害ないし危険が認められる以上不同意わいせつ罪や不同意性交等罪に吸収されず牽連犯となると解する見解があります。一方で面会要求等罪も究極的には16歳未満の者の性的自由を保護するものであり不同意わいせつ罪や不同意性交等罪の一種の予備罪としての性格を踏まえればこれらの罰条のみにより評価され面会要求等罪はこれに吸収されると解する見解もあります。

淫行勧誘罪

183条は営利の目的で淫行の常習のない女子を勧誘して姦淫させた者は3年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金に処すると定めています。

重婚罪

184条は配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは2年以下の拘禁刑に処すると定めています。その相手方となって婚姻をした者も同様に処せられます。

淫行勧誘罪及び重婚罪の保護法益は社会の健全な性的風俗です。淫行勧誘罪は被害者個人の性的自由という側面もあり重婚罪は家族生活の保護という側面もあります。

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