人種
人種とは、皮膚、毛髪、目、体型等の身体的特徴によって区別される人類学上の種類をいいます。なお、外国人に対する取扱いの区別は国籍の有無を基準とする憲法上の人権享有主体の問題であるから人種による差別ではありません。
信条
信条は宗教や信仰のみならず思想、世界観、政治的意見等を含むと解されています。労働基準法3条は私企業において使用者が労働者に対し信条を理由として差別的な取扱いをすることを禁じています。
三菱樹脂事件において最高裁判所は、企業の契約自由の原則に基づき労働者の採用決定にあたりその思想や信条を調査することは違法ではないと判示しました。
レッドパージ事件において最高裁判所は、労働者の解雇がその信条そのものを理由として行われたものではなく信条に基づく具体的言動が会社の生産を現実に阻害しもしくはその危険を生ぜしめる行為であるという理由でなされた場合には14条違反の問題は起こりえないと判示しました。
性別
歴史的にみてもっぱら女性が不合理な差別を受けてきたことから、男女差別の禁止は主に女性に対する不合理な差別の禁止を意味します。もっとも、男女には肉体的かつ生理的な条件の違いがあり、そのため女性を保護するための合理的な区別は認められるとされています。
日産自動車事件
日産自動車事件において最高裁判所は、男子の定年年齢を60歳、女子の定年年齢を55歳と定める就業規則は専ら女子であることのみを理由として差別したことに帰着するものであり、性別による不合理な差別を定めたものとして民法90条により無効であるとしました。
再婚禁止期間違憲判決
女性について6か月の再婚禁止期間を定める民法733条1項の規定が憲法14条1項及び24条2項に違反するとして、同規定を改廃する立法措置をとらなかった立法不作為の違法を理由に国家賠償が求められました。
最高裁判所は、同規定の立法目的は父性の推定の重複を回避しもって父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあるとしました。民法772条2項は婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から300日以内に生まれた子は婚姻中に懐胎したものと推定すると規定しており、計算上100日の再婚禁止期間を設けることによって父性の推定の重複が回避されるとしました。
父性の推定の重複を避けるため100日について一律に女性の再婚を制約することは婚姻及び家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超えるものではなく上記立法目的との関連において合理性を有するものであるとして、100日の再婚禁止期間を設ける部分は憲法14条1項にも24条2項にも違反しないとしました。
これに対し、100日を超過する部分は婚姻及び家族に関する事項について国会に認められる合理的な立法裁量の範囲を超えるものとしてその立法目的との関連において合理性を欠くとして、憲法14条1項および24条2項に違反するとしました。ただし、立法不作為の国家賠償法上の違法性については否定しました。
父性の推定の重複を避けるためには前婚解消から300日以内の期間と後婚成立から200日経過後の期間が重複しなければよいので再婚禁止期間は100日あればよく、6か月は過大な制限であるとされていました。そこで本判決は6か月と定める規定のうち100日を超える部分については違憲と判断する一方、100日の再婚禁止期間については父性の重複を避けるために必要であり女性についてのみ男性にはない再婚禁止期間を設けることにも合理性があるとして合憲と判断しました。
遺族補償年金受給の年齢要件
死亡した職員の妻については一定の年齢に達していることが遺族補償年金受給の要件とされていないのに対し、死亡した職員の夫については一定の年齢に達していることを受給の要件とする規定が憲法14条1項に反しないかが争われました。
最高裁判所は、遺族補償年金制度は憲法25条の趣旨を実現するために設けられた社会保障の性格を有する制度であるとしたうえで、男女間における生産年齢人口に占める労働力人口の割合の違い、平均的な賃金額の格差及び一般的な雇用形態の違い等からうかがえる妻の置かれている社会的状況に鑑み、妻について一定の年齢に達していることを受給の要件としないことは合理的な理由を欠くものということはできないとして憲法14条1項に違反しないとしました。なお、本判例は性別に基づく区別であるという点について何も述べておらず、妻と妻以外の遺族を区別している点に着目し性差別に直接焦点を合わせていないように見えるとの指摘もされています。
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