表現内容規制の意義

表現内容規制とは、ある表現をそれが伝達するメッセージを理由に制限する規制のことをいいます。端的にいえば表現の内容に着目した規制です。これには特定の見解の発表を禁止し又は制限する見解規制のみならず、特定の主題に関する表現を禁止し又は制限する主題規制も含まれます。

表現内容規制の合憲性を判断する際の審査密度は、表現内容中立規制のそれよりも高めるべきであるとされ、前者の合憲性の審査基準としては厳格審査基準が妥当し、後者についてはより緩やかな審査基準が妥当するものと解されています。

このような考え方に対しては、審査基準の枠組みの設定の仕方が図式的になり過ぎているとの批判や、人によって重要な意義をもつはずの表現の時や場所、方法の規制の危険性や問題性を軽視するものであるとの批判がなされています。

もっとも、表現内容規制は、自己実現の価値や自己統治の価値の観点から特に害悪が大きいこと、思想の自由市場論を歪めるおそれが大きいこと、これを正当化する規制目的は基本的に疑わしいこと、国民に対してかなりの萎縮効果をもたらすこととの理由から、表現内容規制の合憲性の審査基準としては厳格審査基準が妥当するとの考え方が一般的な見解として支持されています。

名誉毀損の意義

名誉毀損とは、人に対する社会的な評価すなわち外部的名誉を低下させる行為をいいます。法人もその対象に含まれます。

名誉権は人格権として13条後段により保障されます。そのため、公然と事実を摘示して人の名誉を毀損すれば名誉毀損罪として処罰され、不法行為として損害賠償責任を負います。一方、表現の自由も21条1項により保障され、とりわけ公職者や公務員に対する批判の中には国民の知る権利に奉仕する価値の高い内容の表現も含まれます。

名誉権と表現の自由の調整

個人の名誉の保護と表現の自由との調和を図る観点から、刑法230条の2第1項は、3つの要件を満たした場合には当該表現行為を罰しないと定めています。第一に、摘示した事実が公共の利害に関する事実に係ること、すなわち事実の公共性です。第二に、その目的が専ら公益を図ることにあったこと、すなわち目的の公益性です。第三に、真実であることの証明があったこと、すなわち真実性の証明です。民法上も、この3つの要件を満たした場合には違法性が阻却されて不法行為責任を免れるとされています。

事実の公共性

公共の利害に関する事実とは、一般の多数人の利害に関係する事実であり、公共性のある事実について評価や判断するための資料となるものをいいます。

私人の私生活上の行状は原則として公共の利害に関する事実に当たりませんが、判例はその人物の社会的活動の性質及びこれを通じて社会に及ぼす影響力の程度などのいかんによっては、その社会的活動に対する批判ないし評価の一資料として公共の利害に関する事実に当たる場合があるとしています。

相当性の法理

真実であることの証明の要件を厳密に要求すると、その立証困難に由来する表現の自由に対する萎縮効果が生じます。そこで、このような萎縮効果を回避するため、判例は、たとえ真実性の証明に失敗しても、行為者がその事実を真実であると誤信し、その誤信したことについて確実な資料や根拠に照らし相当の理由があるときは、名誉毀損罪は成立しないとしています。この判例法理を相当性の法理といいます。

公正な論評の法理

民法上では事実を摘示しなくても意見や論評の表明によって不法行為責任を負う場合もあります。判例は、公務員としての行動に関する批判的論評が問題となった事案において、かかる論評の表明により当該公務員の社会的評価が低下したとしても、その目的が専ら公益を図るものでありかつその前提としている事実が主要な点において真実であることの証明があったときは、人身攻撃に及ぶなど論評としての域を逸脱したものでない限り不法行為は成立しないとしています。この判例法理を公正な論評の法理といいます。

事実摘示型と論評型の区別

公正な論評の法理が適用されるのはいわゆる論評型ですが、そもそも事実摘示型と論評型の区別はどのようにしてされるのかが問題となります。この点について判例は、当該表現が証拠等をもってその存否を決することが可能な内容か、それとも証拠等による証明になじまない物事の価値や善悪、優劣についての批評や論議かにより区別される旨判示しています。

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