雲と霧

雲の種類:10種雲形

雲はその形と発達する方向によって、大きく層状雲(水平方向に広がる雲)と対流雲(鉛直方向に発達する雲)の2つに分けられます。層状雲には8種類、対流雲には2種類あり、合わせて10種類の雲を10種雲形といいます。

対流雲(2種類)

名称国際記号俗称高さ
積雲Cuわたぐも0.6〜6kmまたはそれ以上
積乱雲Cbにゅうどうぐも雲底はふつう下層、雲頂は対流圏界面付近まで

層状雲:上層雲(3種類)

名称国際記号俗称高さ
巻雲Ciすじぐも5〜13km
巻積雲Ccうろこぐも5〜13km
巻層雲Csうすぐも5〜13km

層状雲:中層雲(2種類)

名称国際記号俗称高さ
高積雲Acひつじぐも2〜7km
高層雲Asおぼろぐも2〜7km(上層まで広がることもある)

層状雲:下層雲(3種類)

名称国際記号俗称高さ
層雲Stきりぐも地面付近〜2km
層積雲Scくもりぐも地面付近〜2km
乱層雲Nsあまぐも雲底はふつう下層、雲頂は中・上層まで発達

※雲のできる高さは中緯度地方での目安です。同じ上層雲でも、高緯度になるほど圏界面が低くなるために雲の高さも低くなります。

※乱層雲は下層から中・上層まで発達することが多いため、中層雲に分類されることもあります。

雨を降らせる2つの雲

10種雲形の中で特に重要なのは、積乱雲乱層雲です。この2つが雨を降らせる雲だからです。

積乱雲からはしゅう雨(にわか雨)が降ります。積乱雲は寿命が短いため、降る時間は短いですが非常に強い雨になります。これを短時間強雨ともいいます。非常に発達した積乱雲からは、短時間強雨のほかに落雷、突風、季節によってはひょうも発生します。

乱層雲からは地雨一様性降水)が降ります。俗にいう「しとしと雨」です。積乱雲のように強い雨を降らせることは少ないですが、雲の寿命が長いため、降る時間も長くなります。

上層雲の特徴と暈(かさ)

巻雲や巻層雲などの上層雲は、高度が高く雲の中の温度が低い(一般的に−25℃以下)ため、その大部分が氷晶からできています。また、雲の厚みはほとんどなく、空が透けて見えるほどです。

巻層雲が空を覆うと、太陽や月の周りに虹のような輪が見えることがあります。これを(かさ)といいます。雲の中の氷晶がプリズムのような役割を果たし、光を屈折・分解するために起こる現象です。

雲と霧の違い

雲と霧は、物理的にはまったく同じものです。どちらも空気中の水蒸気が凝結してできた微小な水滴(または氷晶)の集まりです。

違いは観察する場所にあります。山に雲がかかっているとき、遠くから見ればそれは「雲」ですが、その雲の中にいる山の上の人にとっては周囲が白くかすむ「霧」になります。つまり、上空にあるものを雲、地表面に接しているものを霧と呼びます。10種雲形の中では、霧は層雲に分類されます。

霧ともやの違い

霧に似た現象にもやがあります。この2つの違いは視程(大気中の見通し距離)です。

現象視程
1km未満
もや1km以上

霧は半径約0.1mmの水滴(霧粒)の集まりです。霧粒が氷晶からできている場合は氷霧と呼ばれます。

霧の発生条件

霧は雲と同じ仕組みで発生します。つまり、空気が露点温度まで冷やされたとき、または飽和に達するまで水蒸気が供給されたときに発生します。

霧はその発生メカニズムによって5種類に分類されます。

1. 放射霧

放射霧は、夜間の放射冷却によって地上付近の空気が露点温度まで冷えたときに発生する霧です。

発生しやすい条件は、よく晴れていて風が弱い日の明け方です。曇っていると地球放射が雲に遮られて冷却が進まず、風が強いと暖かい空気と混ざって気温が下がりにくいためです。

放射霧は日の出とともに気温が上昇すると、霧粒が蒸発して消滅します。また、盆地で発生しやすいという特徴があります。冷たい空気は暖かい空気より密度が大きく重いため、周囲を山に囲まれた盆地には冷たい空気がたまりやすいからです。

2. 移流霧

移流霧は、水蒸気を含んだ暖かい空気が冷たい地表面(海面や地面)の上に移動したとき、冷やされて発生する霧です。

代表例は海霧です。南からの暖かく湿った空気が、北側にある冷たい海面の上に流れ込んで冷やされることで発生します。

3. 蒸気霧(混合霧)

蒸気霧混合霧)は、暖かい水面上にある暖かく湿った空気と、そこに流入してきた比較的冷たい空気が混合することで発生する霧です。

暖かい水面上の空気は、水面から暖められて多湿になっています。そこに冷たい空気が入り込むと、混合によって気温が低下したり水蒸気が供給されたりして飽和に達し、霧が発生します。

4. 前線霧

前線霧は、温暖前線などに伴う長時間の降雨で地面の水分が蒸発し、すでに相対湿度が高くなっている状態のところに、さらに比較的高温の雨が降って蒸発し、空気中の水蒸気が増えて飽和に達することで発生する霧です。

身近な例でいえば、閉めきった風呂場でシャワーを使うと湯気がこもるのと同じ原理です。

5. 上昇霧(滑昇霧)

上昇霧滑昇霧)は、空気が山にぶつかって斜面に沿って上昇し、気温が露点温度まで低下したときにできる霧です。

遠くから見ればこれは雲ですが、山にいる人にとっては霧になります。雲と霧が同じものであることがよくわかる例です。

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