フェーン現象

フェーン現象とは

山の風下側で空気が高温になり乾燥する現象をフェーン現象といいます。乾燥断熱変化と湿潤断熱変化の両方を使って説明できる、わかりやすい応用例です。

具体例で理解する

標高2000mの山を、気温30℃の空気が風上側から上昇し、風下側に下降するケースを考えてみましょう。

風上側(上昇)

地上(0m)→ 1000m:雲なし → 乾燥断熱変化

  • 100mにつき1℃低下
  • 1000m上昇で10℃低下
  • 30℃ → 20℃

1000m → 2000m(山頂):雲あり → 湿潤断熱変化

  • 100mにつき0.5℃低下
  • 1000m上昇で5℃低下
  • 20℃ → 15℃

風下側(下降)

2000m(山頂)→ 地上(0m):雲なし → 乾燥断熱変化

  • 100mにつき1℃上昇
  • 2000m下降で20℃上昇
  • 15℃ → 35℃

結果

風上側の地上では30℃だった空気が、風下側の地上では**35℃**まで上昇しました。**5℃**も気温が高くなっています。

        山頂 15℃
       /      \
  雲あり         雲なし
  (湿潤)         (乾燥)
 /                \
20℃(1000m)          \
 /                    \
30℃(風上・地上)    35℃(風下・地上)

なぜ風下側が高温になるのか

ポイントは、風上側で雲をつくり雨を降らせたことで、空気中の水蒸気が失われることです。風上側の上昇時には湿潤断熱変化(気温低下が緩やか)だったのに対し、風下側の下降時には雲をつくらないため乾燥断熱変化(気温上昇が急)になります。この非対称性が風下側の高温を生み出すのです。

また、雨を降らせることは空気中の水蒸気を地上に落とすことと同じなので、風下側の空気は乾燥します。

日本でのフェーン現象

日本では、日本海を低気圧や台風が通過する際に、日本海側の地域でフェーン現象がよく発生します。太平洋側から吹き込む風が脊梁山脈(日本列島の背骨のような山脈)を越えて日本海側に吹き降りるためです。

特に春先は山にまだ雪が残っているため、フェーン現象による高温・乾燥は雪崩や火災のリスクを高め、山からの強風にも注意が必要になります。

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