台風

熱帯低気圧の国際的分類

日本では北西太平洋域(くわしくは赤道より北で東経100〜180度の範囲と条件がつく)で発生した熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m/s以上になったものを台風とよび、その強さまで達しない、つまり最大風速17.2m/s未満のものを熱帯低気圧とよんでいます。

しかし、これはあくまで日本での分類であり、国際的な分類ではこの熱帯低気圧を発達の段階に応じて次の4つの段階で分類しています。

国際的分類日本の分類対応する風速
Tropical Depression (TD)熱帯低気圧17.2m/s (34kt) 未満
Tropical Storm (TS)台風17.2m/s (34kt) 以上24.6m/s (48kt) 未満
Severe Tropical Storm (STS)台風24.6m/s (48kt) 以上32.7m/s (64kt) 未満
Typhoon (T)台風32.7m/s (64kt) 以上

ここで最大風速と最大瞬間風速についてお話ししておきます。一般的に風速というのは、風を10分間観測して、それを平均した値のことをいうのですが、その最大値のことを最大風速といいます。また、平均された風速ではなく、その瞬間、細かくいえば3秒間平均の風速のことを瞬間風速というのですが、その最大値のことを最大瞬間風速といいます。最大風速と最大瞬間風速というのは似たような言葉なのですが意味は違います。

台風の強さと大きさ

天気予報などを聞いていると、「大型で強い台風」とか「超大型で猛烈な台風」というように、台風にその台風自身の大きさと強さを表すような言葉を付加して表現されているのを聞くことがあると思います。

台風の大きさは強風域(平均風速が15m/s以上の強風が吹いている領域)の半径の大きさで分類されており、台風の強さは中心付近の最大風速で分類されています。また、暴風域は平均風速が25m/s以上の暴風が吹いている領域のことです。

台風の大きさ:

階級強風域の半径
台風500km未満
大型の台風500km以上800km未満
超大型の台風800km以上

台風の強さ:

階級中心付近の最大風速
台風17m/s以上33m/s未満
強い台風33m/s以上44m/s未満
非常に強い台風44m/s以上54m/s未満
猛烈な台風54m/s以上

台風の発生場所

台風(熱帯低気圧)とは、北半球でも南半球でも、緯度がおよそ5度〜20度の熱帯収束帯(ITCZ)とよばれる地域の、中でも海面水温が比較的高い26〜27℃以上の海上で一般的に発生するといわれています。

海面水温が比較的高い場所というのは、海面水温の低い場所に比べてその海面からの蒸発が非常に盛んであり、その海上の空気というのはよく湿っている、つまり空気中に含まれている水蒸気の量が多いのが普通です。台風のエネルギー源というのは水蒸気、細かくいうと水蒸気の潜熱であり、その台風のエネルギー源となる水蒸気が豊富である海面水温の高い海上で発生します。

しかし、海面水温がいくら高くても赤道付近(北緯5度〜南緯5度付近)の海上ではこの台風は発生しません。それは、台風が発生するためにはコリオリ力による渦を巻くことのできる力が必要なのです。コリオリ力がほとんどはたらかない赤道付近では、風が渦をまくことができないので、発生しないのです。

また熱帯収束帯は、北東貿易風と南東貿易風がよく衝突する場所でもあり、台風の発生のきっかけとなる上昇流が発生しやすい場所となっています。

危険半円と可航半円

台風とは、その内部での風速の分布は一定ではなく、台風の進行方向の右側の領域で風速が強くなり、逆に台風の進行方向の左側の領域で風が弱くなります。

なぜそのように風速の分布に違いができるのでしょうか。台風は一種の低気圧ですから、風が反時計回りに吹いていると考えられます。つまり、台風の右側というのは、この台風を押し流す中層の風とこの台風自身の北よりの方向に向かって吹く風が足されることになるので、その分だけこの台風自身の風が強くなるのです。逆に台風の左側というのは、この台風を押し流す中層の風とこの台風自身の南よりの方向に向かって吹く風がお互い衝突するような形になるので、その分だけこの台風自身の風が弱くなるのです。

このような理由から、台風の進行方向の右側の領域というのは風が強くなるので、その領域を危険半円とよび、逆に台風の進行方向の左側の領域というのは風が弱くなるので、その領域を可航半円とよぶのです。

この危険半円や可航半円という言葉は帆船時代にできた言葉です。その当時の船を動かす動力は「風」でしたので、そのときに台風の中心から帆船で逃れようとするときに向かい風となる台風の進行方向右側を危険半円とよび、追い風となる台風の進行方向左側を可航半円とよびました。決して航海が可能だから安全という意味で台風の進行方向左側を可航半円といったのではありません。

台風の進行方向の東側と西側の地点での風向の変化

台風の進行方向の東側の地点では、台風が通り過ぎる前と通り過ぎたあとで風向が時計回りに変化し、逆に台風の進行方向の西側の地点では、台風が通り過ぎる前と通り過ぎたあとで風向が反時計回りに変化します。

台風は一種の低気圧ですから、反時計回りに風が吹いています。台風の進行方向の東側にある地点Eでは、台風が通り過ぎる前(地点Eの南側に台風があるとき)は南東の風が吹いていると考えられます。次に、この台風が通り過ぎたあと(地点Eの北側に台風があるとき)は南西の風が吹いていると考えられます。つまり、風が南東から南西に時計回りに変化しているのです。

同様に、台風の進行方向の西側にある地点Wでは、台風が通り過ぎる前は北東の風、通り過ぎたあとは北西の風が吹くため、風向が反時計回りに変化します。

この関係を用いれば、特に台風の位置がわからなくても、その地点の風向の変化をみただけで、台風がどの方角を通過したのかがわかるのです。台風から見れば進行方向の東側に地点Eがあるのですが、地点Eから見れば台風は西側を通過したことになります。同様に地点Wから見れば台風は東側を通過したことになります。

台風の高度による風の変化

台風は、下層では反時計回りに風が吹き込み、上層(圏界面付近)では時計回りに風が吹き出しています。なぜこのように下層(反時計回り)と上層(時計回り)で風の回転が逆になるのかというと、台風というのは下層では低気圧なのですが、上層では逆に高気圧になるからです。

下層で低気圧として空気が収束し、その空気が上昇して上層に達すると、上層では発散して外に向かって吹き出します。上層では高気圧として時計回りに吹き出すのです。この下層の収束と上層の発散のバランスが台風の構造を維持しています。

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