収束と発散

収束と発散とは

大気中で、ある領域に空気が集まってくることを収束(しゅうそく)といい、ある領域から空気が広がっていくことを発散(はっさん)といいます。この収束と発散は、天気の変化を理解するうえで非常に重要な概念です。

水平方向の空気の集まり具合・広がり具合を水平収束水平発散といいます。空気が水平方向に集まってくる(水平収束が起きている)と、集まった空気は行き場を失い、上向きまたは下向きに移動しなければなりません。逆に、空気が水平方向に広がっていく(水平発散が起きている)と、失われた空気を補うために上方または下方から空気が流れ込んできます。

収束・発散と天気の関係

収束・発散と鉛直方向の空気の動き(上昇流・下降流)、そして天気の間には密接な関係があります。

下層で収束が起きている場合:下層に空気が集まると、その空気は上昇するしかありません。上昇流が発生すると、空気は断熱膨張によって冷却され、やがて水蒸気が凝結して雲が形成されます。つまり、下層の収束は上昇流を引き起こし、雲や降水をもたらす原因となります。低気圧のまわりで天気が悪くなるのは、摩擦の効果で地上付近の風が低気圧の中心に向かって吹き込み(収束し)、それによって上昇流が生じるためです。

下層で発散が起きている場合:下層から空気が広がっていくと、その分を補うために上空から空気が下降してきます。下降流が発生すると、空気は断熱圧縮によって暖まり、相対湿度が低下して雲ができにくくなります。高気圧のまわりで天気が良いのは、地上付近の風が高気圧の中心から外側に向かって吹き出し(発散し)、それによって下降流が生じるためです。

上層で発散が起きている場合:上層で空気が発散すると、その分を補うために下層から空気が上昇してきます。上層の発散は下層の上昇流を強め、天気を悪くする効果があります。上層にジェット気流の発散域がある場合、その下方では低気圧が発達しやすくなります。

上層で収束が起きている場合:上層に空気が集まると、その空気は下降します。上層の収束は下降流を引き起こし、天気を良くする効果があります。

このように、下層の収束と上層の発散が重なると、上昇流が強まって天気が大きく崩れ、低気圧や前線が発達します。逆に、下層の発散と上層の収束が重なると、下降流が強まって天気は安定します。

方向収束と速度収束

水平収束にはの2種類があります。方向収束速度収束です。

方向収束とは、風の向きによって空気が集まることです。たとえば、向かい合うように風が吹いている場合、風がぶつかるところに空気が集まります。これが方向収束です。前線付近では暖かい空気と冷たい空気が異なる方向から吹き寄せるため、方向収束が生じやすくなります。

速度収束とは、風の速さの変化によって空気が集まることです。たとえば、同じ方向に吹いている風でも、風上側の風速が大きく風下側の風速が小さい場合、風上から運ばれてくる空気の量に対して風下に出ていく空気の量が少ないため、その間の領域に空気がたまっていきます。これが速度収束です。

逆に、方向発散は空気が異なる方向に広がっていくこと、速度発散は風上側より風下側の風速が大きくて空気が引き延ばされることをいいます。

実際の大気中では方向収束と速度収束が同時に起きていることが多く、両方を合わせた全体の収束・発散を考える必要があります。

風速につける符号

収束・発散を数式で扱うとき、風速に符号をつけることがあります。ここでは、その約束ごとについて説明しておきます。

東向きの風速成分(U成分)は、東向きを正、西向きを負とします。南北方向の風速成分(V成分)は、北向きを正、南向きを負とします。

この符号の約束を使うと、水平収束・水平発散を数式で表すことができます。東西方向の風速が東に行くほど大きくなっていれば(ΔU/Δx>0)、その方向には空気が引き延ばされて発散しています。逆に東に行くほど小さくなっていれば(ΔU/Δx<0)、その方向には空気が集まって収束しています。

水平発散の大きさは、次のように表されます。

水平発散 D = ΔU/Δx + ΔV/Δy

この値が正ならば発散、負ならば収束が起きていることを意味します。なお、この値を水平発散量(ダイバージェンス)と呼びます。

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