乾燥断熱変化と湿潤断熱変化

断熱変化の詳細

空気が上昇すると周囲の気圧が低くなるため膨張し(断熱膨張)、膨張にエネルギーを消費するため気温が低下します(断熱冷却)。膨張に使ったエネルギーの分だけ気温が下がるのであって、周囲の空気に冷やされるわけではありません。

逆に空気が下降すると気圧が高くなるため圧縮され(断熱圧縮)、圧縮によってエネルギーが余るため気温が上昇します(断熱昇温)。

空気の動き体積の変化気温の変化
上昇膨張(断熱膨張)低下(断熱冷却)
下降圧縮(断熱圧縮)上昇(断熱昇温)

乾燥断熱変化(Γd)

空気が雲をつくらずに上昇・下降する場合を乾燥断熱変化といいます。

気温の変化率:

100mにつき約1℃

つまり、100m上昇すれば1℃低下し、100m下降すれば1℃上昇します。この割合を乾燥断熱減率ともよびます。

湿潤断熱変化(Γm)

空気が雲をつくりながら上昇・下降する場合を湿潤断熱変化といいます。

気温の変化率:

100mにつき約0.5℃

乾燥断熱変化と比べて、気温が変化する割合が小さいのが特徴です。

なぜ湿潤のほうが変化率が小さいのか

その理由は潜熱にあります。

雲をつくりながら上昇するということは、空気中の水蒸気が冷やされて水に姿を変えている(凝結している)ということです。凝結の際には潜熱が放出されるため、空気は暖められながら上昇することになります。結果として、気温の低下する割合が乾燥断熱変化より小さくなるのです。

逆に、雲とともに下降する場合は水が水蒸気に変わる(蒸発する)ため、潜熱を吸収して空気は冷やされながら下降します。そのため気温の上昇する割合も小さくなります。

乾燥断熱変化(1℃)と湿潤断熱変化(0.5℃)の差である**0.5℃**が、まさに潜熱による暖め・冷やしの効果にあたります。

湿潤断熱減率の幅

実際には湿潤断熱変化の気温変化率は一定ではなく、幅があります。気温が高いほど空気中の水蒸気が多いため、凝結で放出される潜熱も多くなります。そのため、気温が高いときほど気温変化の割合は小さくなり、気温が低いときほど大きくなります。

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